
「全員悪人」というキャッチコピーで大ヒットを記録した北野武監督の映画『アウトレイジ』シリーズ。
見るべき順番がわからず、時系列はどのようになっているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
このシリーズは、作品ごとの時間経過や登場人物の変化が緻密に描かれており、シリーズは全何作か、そしてどの作品が一番人気なのかといった点も話題になります。
暴力団という閉鎖的な社会を舞台に、仁義なき権力闘争がスケールアップしていく様子や、登場人物の時代背景がリアルに描かれており、見応えのある作品です。
この記事でわかること
- 『アウトレイジ』シリーズを見るべき順番
- 登場人物たちの関係性の変化や、抗争の変遷
- 時系列と各作品間の時間経過
- シリーズがなぜこれほどまでに人気なのか
Contents
「アウトレイジ」シリーズの最適な見方と時系列を解説
- シリーズは全何作?
- 見るべき順番は?
- 時系列はどのようになっている?
- 各作品の間にはどれくらいの時間が経過している?
- シリーズを通して物語は繋がっている?
シリーズは全何作?

北野武監督の『アウトレイジ』シリーズは、全3作品で完結しています。
2010年に第1作が公開されてから、大きな話題となりシリーズ化されました。
北野監督作品としては珍しく、明確に続編として制作されたのがこのシリーズです。
各作品の公開年とタイトルは以下の通りです。
シリーズ全3作品
・第1作:『アウトレイジ』(2010年)
・第2作:『アウトレイジ ビヨンド』(2012年)
・第3作:『アウトレイジ 最終章』(2017年)
見るべき順番は?

「アウトレイジ」シリーズを初めて見る方には、公開された順番に見ることを強くおすすめします。
このシリーズは、各作品が公開順に時系列が連動しており、物語が進行していく構成になっているためです。
第1作目の出来事が次の作品の物語のきっかけとなり、そこで生き残ったキャラクターたちが、さらなる抗争へと巻き込まれていきます。
公開順通りに見ることで、登場人物の行動や感情の変化、そして暴力団組織の勢力図がどのように変わっていくかをスムーズに理解することができます。
また、前作の因縁が次作の報復へと繋がっていく流れを追うことで、作品の持つ緊張感やバイオレンスをより深く楽しめます。
時系列はどのようになっている?

このシリーズの時系列は、公開順と完全に一致しています。
物語は、弱小暴力団の大友組が関東最大の暴力団組織・山王会の内部抗争に巻き込まれていく第1作から始まります。
その後の『アウトレイジ ビヨンド』では、前作で死んだと思われていた大友が、警察の思惑によって再び表舞台へと引きずり出され、関西の巨大組織・花菱会との抗争が勃発します。
そして『アウトレイジ 最終章』では、巨大抗争を生き延びた大友が、過去の因縁に決着をつけるために日本へ戻るという結末を迎えます。
各作品の間にはどれくらいの時間が経過している?

物語の時系列は公開順と同じですが、それぞれの作品の間には数年の時間が流れています。
第1作目と第2作目である『アウトレイジ ビヨンド』の間には約5年の時間経過が設定されています。
これにより、山王会がさらに勢力を拡大した状況や、警察の思惑が描かれています。
そして『アウトレイジ ビヨンド』から『アウトレイジ 最終章』の間にも時間が経過しています。
この期間で、大友は韓国に渡り、新しい生活を送っている様子が描かれます。
また、花菱会の体制も変わり、新しい権力争いが勃発しているなど、時間が流れていることを感じさせる描写が多く見られます。
各作品の時間経過
・『アウトレイジ』 → (約5年後) → 『アウトレイジ ビヨンド』
・『アウトレイジ ビヨンド』 → (数年後) → 『アウトレイジ 最終章』
シリーズを通して物語は繋がっている?

このシリーズは完全に一つの物語として繋がっています。
各作品で描かれる暴力団の抗争は、前の作品で起こった出来事を原因としています。
例えば、第1作で大友組が関わった内部抗争が、加藤や石原といった登場人物のその後の運命を決定づけることになります。
そして、大友が刑務所内で受けた因縁が、第2作での復讐へと繋がります。
このため、一つでも作品を飛ばしてしまうと、登場人物の関係性や物語の背景を十分に理解することが難しくなる可能性があります。
物語の結末も、第1作から続くすべての因縁に対する決着として描かれています。
ですから、最後までこのシリーズを楽しむためには、公開順に最初から最後まで一気に見ることをおすすめします。
『アウトレイジ』時系列から見る登場人物の変化
- 抗争はどのようにスケールアップしていく?
- 登場人物の死亡は時系列に沿っているのか
- 登場人物たちの立場や人間関係はどのように変化していく?
- それぞれの作品で時代背景は違う?
- どの作品が一番人気?
抗争はどのようにスケールアップしていく?

このシリーズの魅力は、抗争のスケールが段階的に拡大していくところにあります。
第1作の『アウトレイジ』は、関東の暴力団「山王会」の内部で起こる、些細なトラブルから始まる抗争が描かれます。
しかし、『アウトレイジ ビヨンド』では、物語の舞台は一気に全国へと広がります。
山王会だけでなく、関西の巨大組織である「花菱会」が登場し、警察も巻き込んだ組織同士の巨大な抗争が展開されていきます。
この抗争では、前作で大友と因縁のあった木村も重要な役割を担います。
そして最終章では、抗争はさらに国際的な広がりを見せます。
舞台は日本を飛び出し韓国の済州島へと移り、日本と韓国を股にかける大物フィクサーが関わってきます。
物語が進むにつれて抗争が複雑化し、登場する組織や人物の数も増えていくため、より壮大なスケールでヤクザ社会の闇が描かれています。
登場人物の死亡は時系列に沿っているのか

このシリーズでは、多くの登場人物が命を落としますが、その描写はすべて時系列に沿って描かれています。
第1作で命を落としたキャラクターは、当然ながら第2作や最終章には登場しません。
前作の出来事が次作の登場人物たちの行動や運命に影響を与えていくため、誰がいつ、どのようにして死んだのかを理解することが物語の重要な鍵になります。
本作は、拷問や殺害シーンが非常にリアルで残酷に描かれています。
このため、全作品がR-15指定となっています。暴力描写が苦手な方は注意して視聴してください。
登場人物たちの立場や人間関係はどのように変化していく?

物語の進行とともに、登場人物たちの立場や人間関係は大きく変化していきます。
第1作で山王会の若頭であった加藤は、会長の座を狙う野心家として描かれますが、最終的にはその座を手にします。
一方で、加藤の側近だった石原は、第1作では小物でしたが、第2作では山王会の若頭にまで成り上がります。
また、登場人物の人間関係も大きく変わっていきます。
例えば、第1作で大友と対立していた木村は、第2作では大友と兄弟分となり、共に戦う仲間になります。
しかし、彼らの関係も、やがて来る悲劇の伏線となります。
そして最終章では、大友と大物フィクサーの張会長との、これまでの義理人情を軽んじたヤクザ社会とは異なる関係性が描かれます。
多くの登場人物がそれぞれの思惑で行動するため、誰が味方で誰が敵なのか、常に変化する人間関係に注目して見ると、より深く物語を楽しめます。
それぞれの作品で時代背景は違う?

シリーズは各作品が公開された時代を反映し、暴力団社会もそれに合わせて変化している様子が描かれています。
第1作では、昔ながらの任侠を重んじる大友と、権力や金で物事を動かす現代的なインテリヤクザである石原が対比的に描かれます。
第2作では、警察が暴力団対策法を駆使して暴力団の壊滅を企む様子が描かれるなど、より現実の時代背景に沿った展開になっています。
最終章では、舞台を韓国へと広げ、国際的な組織やフィクサーの存在が物語の軸となるなど、単なるヤクザ抗争にとどまらない、現代社会の闇を反映したテーマが取り入れられています。
どの作品が一番人気?

複数のメディアやアンケート調査によると、シリーズの中で最も人気が高いのは第1作目の『アウトレイジ』です。
この作品は、それまでのヤクザ映画にはなかったドライな権力争いや、仁義なき裏切りといった新しい切り口で描かれたことが高く評価されています。
人気の理由
・「全員悪人」というキャッチコピーにふさわしい、仁義や人情を一切描かない斬新な作風
・豪華キャスト陣が、それぞれの個性を活かした悪人役を演じている点
・予測不能な裏切りと、緊迫感のあるストーリー展開
もちろん、続編も大きな話題を呼び、それぞれに違った魅力があります。
『ビヨンド』では、西田敏行さんや塩見三省さんといった新しいキャストが加わり、さらにパワーアップした罵り合いや抗争が楽しめます。
最終章では、登場人物たちの「ケジメ」に焦点が当てられ、シリーズの集大成として締めくくられています。
まとめ:アウトレイジを見る順番はこれ!時系列で辿る「全員悪人」の世界
この記事では、『アウトレイジ』シリーズの時系列や見るべき順番について詳しく解説しました。
登場人物たちの欲望と裏切りが渦巻くこの作品は、時系列を追うことでさらに深く楽しめます。
まだ観ていない方は、ぜひ公開順に全3作を観て、全員悪人の世界を堪能してください。
それぞれの作品で繰り広げられる、迫力ある抗争や登場人物たちの末路に注目しながら見ると、北野監督がこのシリーズに込めた「ケジメ」の意味がより伝わるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。